ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)/フィルハーモニア管弦楽団
コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団(合唱指揮:ダグラス・ロビンソン)
・イゾルデ:キルステン・フラグスタート ・トリスタン:ルートヴィヒ・ズートハウス
・ブランゲーネ:ブランシュ・シーボム ・マルケ王:ヨーゼフ・グラインドル
・クルヴェナール:ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ ・メロート:エドガー・エヴァンス
・牧童:ルドルフ・ショック ・水夫:ルドルフ・ショック ・舵手:ロデリック・デイヴィズ
録音:1952年6月10-21,23日 ロンドン、キングズウェイ・ホール(モノラル)
DOCUMENTS【ドイツ輸入盤】
クラシック界の巨匠フルトヴェングラーと最高のワーグナー歌手の組み合わせによる名演中の名演。フルトヴェングラーのオペラ録音のなかでも飛び抜けた秀演といわれるだけあって、大河のようにとうとうと流れる息の長いメロディーと神秘的なハーモニーがこれほどドラマチックかつ壮大に演奏されることは滅多にありません。後世の他の指揮者たちの演奏は、とりとめなく冗長で退屈に感じられることがありますが、フルトヴェングラーの手にかかると音楽は断然雄弁になり、数時間かかる長丁場も一気に聴かせてしまう説得力があります。また、ソプラノのフラグスタートも力強い歌唱も最高の出来映えで、クルヴェナールを歌っている若きフィッシャー=ディースカウの表現力も見事です。モノラルとはいえ音質はかなり良好であり、フルトヴェングラーの録音の中でも最上のものといえるでしょう。強くオススメです。