スザーネ・ラウテンバッハー(ヴァイオリン) 録音:1973,1974年
DOCUMENTS【ドイツ輸入盤】
ドイツの名女流ヴァイオリニスト、スザーネ(スザンネ)・ラウテンバッハー(1938-)はヴァイオリン・ファンから今なお絶大な支持を集めるにカリスマ。録音もたくさんあるのですが、廃盤や入手不能のものが多く、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」はモノラルの1964年盤やステレオの1973/74年盤も極めつけの名盤といわれ、様々なレーベルからCDやCD-Rとして復刻を繰り返していますが、それほど入手しやすい状況ではありませんでした。このアルバムは、ウテンバッハーにとって2度目の録音となるVOXレーベル音源の1973/74年盤で、96kHz/24bitマスタリングを施され、ドイツMEMBRAN者から新たにリリースされたもの。
何といってもラウテンバッハーは、練習の鬼といわれるだけあって、正統的な堂々とした演奏ぶりで、バッハを極めたかのような深遠な世界が味わえます。生真面目過ぎるほどに1音1音に魂を込めつつ、集中力あふれるひたむきな表現は、極めて充実していて感動的。全く軽さなど感じさせない深みのある表現ながら、適度に流麗な演奏になっているところに女性らしい感性がうかがえます。ラウテンバッハーの無伴奏をまだお聴きでない方にはぜひお薦めしたいアルバムです。