ピエール・フルニエ(チェロ)
録音:1960年12月、ベートーヴェンザール、ハノーファー(ステレオ)
ARCHIV【ヨーロッパ輸入盤】
フランスの名チェリスト、ピエール・フルニエ(1906-1986)は、生涯に何度か「無伴奏チェロ組曲」を録音していますが、この1960年の録音は充実した完成度の高さい演奏で、しばしばベストに挙げられるほどの名盤として広く親しまれています。フルニエの気品のある容貌と人柄、そして格調の高い表現と優雅で洗練された演奏は聴衆を魅了し、「チェロの貴公子」とも呼ばれました。実際この「無伴奏チェロ組曲」もフルニエらしい真摯で格調の高い演奏です。抑制をきかせた表現は決して派手なものではないものの、メロディーを豊かに歌わせ、いぶし銀のような深々としたコクがあります。また、男性的な力強さも併せ持っているため、バッハの音楽が持つ内省的・求道的なイメージに最も近い演奏として普遍的な支持を得ています。しみじみとバッハを聴きたい方にオススメです。