1-5. リチャード・ハーヴェイ(1953-)／コンチェルト・インカンタント
6-8. マルコム・アーノルド(1921-2006)／リコーダー協奏曲 Op.133
9-15. ゴードン・ジェイコブ(1895-1984)／アルト・リコーダーと弦楽のための組曲
ミカラ・ペトリ（リコーダー）、ジャン・トレル（指揮）／香港市室内管弦楽団
録音：2011年5月24-29日、香港、カルチャー・センター
OUR RECORDINGS【デンマーク輸入盤】
リコーダーと合唱の組み合わせは、実はそれほど珍しいものではありません。人間の声に近い響きを持つリコーダーは、バロックの時代にも重用され、多くの作曲家たちがこの響きの妙を表現してきました。しかし、このアルバムではそのコラボレーションをさらに深化させることで、全く新しい音色を生み出すことに成功しています。ラトヴィアの作曲家ユージス・プラウリニュシュ(1957-)の「ナイチンゲール」は、おなじみアンデルセンの寓話を元にした作品で、ナイチンゲール（夜鳴きうぐいす）を模したリコーダーがたいへん効果的。また、現代的な斬新なハーモニーの合唱も素晴らしく、リコーダーと合唱でなくては成し得ない神秘的な響きが秀逸です。
また、スウェーデンの作曲家ダニエル・ベルツ(1943-)の「ネメシス・ディヴィナ」、そしてデンマーク領フェロー諸島の作曲家ソンライフ・ラスムセン(1961-)の「I」は、人間の心の深層を垣間見るかのようなシリアスな音楽で、暗闇から語りかけるような不気味な迫力があります。デンマークの作曲家ペーター・ブルーン(1968-)の「ひばりのいる２つの情景」は、イギリスの詩人ジェラード・マンリー・ホプキンズ(1844-1889)の詩を用いており、天高く舞うひばりをモティーフにした色彩感溢れた合唱とリコーダーが驚くばかりの表現力で、音のキャンバスに描いていきます。デンマーク国立声楽アンサンブルは、2007年1月に創設された18名からなる気鋭のアンサンブル。高い技術と柔軟な表現力が高く評価され、近年はデンマークの俊英指揮者ダウスゴーやイギリスの合唱指揮者スティーヴン・レイトンなどのもとで活発にレコーディングを行っています。
SACDによる高音質も魅力的で、豊かな残響も深い感動へと誘うスパイスとなっています。SACDハイブリッド仕様なので、通常のプレイヤーでもお楽しみいただけます。OUR RECORDINGSは、リコーダー奏者のミカラ・ペトリとギター奏者ラース・ハニバルによる新しいレーベルです。
