R・シュトラウス(1864-1959):
1.オーボエ協奏曲(*)
2.交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(+)
3~4.歌劇「ばらの騎士」から 第1&第2のワルツ・シークエンス(+)
5.ルトスワフスキ(1913-1994)/オーボエ、ハープと室内管弦楽のための二重協奏曲(#)
ハインツ・ホリガー(オーボエ(*/#))、ウルズラ・ホリガー(ハープ(#))
ミヒャエル・ギーレン(指揮(*/#))、トマス・シッパーズ(指揮(+))、シンシナティ交響楽団
録音:1983-84年(ADD) 原盤:Vox
ALTO【イギリス輸入盤】
現代最高のオーボエ奏者といえば必ず名前の挙がるハインツ・ホリガーは、オーボエ協奏曲の名曲の1つであるR・シュトラウスの作品を少なくとも2度録音しています。70年代にフィリップス・レーベルでレコーディングをし、こちらはその2度目の録音にあたるVOXレーベル原盤の演奏です。残念ながらVOXレーベルの最初期のデジタル録音にあたるせいか、せっかくのホリガーのソロが少し聴き取りづらいのが難点。とはいえ、ホリガーらしい細身の美しい音色と流麗なテクニックはやはり抜群で魅力的です。また、彼の妻である世界的なハープ奏者ウルスラ・ホリガーとの共演となるルトスワフスキの「オーボエとハープの二重協奏曲」も、これが決定盤といえるでしょう。。さらに現代曲を得意とする指揮者ギーレンの伴奏も軽めでキレが良いのが特徴です。
このアルバムでは、どうしてもホリガーの「オーボエ協奏曲」ばかりに注目しがちですが、実はギーレンとシッパーズの演奏こそが意表を突くほど充実したもので、特にシッパーズの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」も「ばらの騎士」からの2つのワルツも滅多にないほど優れた演奏です。シンシナティ響の弦セクションの甘い音色とダイナミックな金管と打楽器をいかしたキレとコクのある表現がビシバシ決まっています。