フレデリック・ショパン(1810-1849):
1~4.4つのスケルツォ(ロ短調 Op.20/変ロ短調 Op.31/嬰ハ短調 Op.39/ホ長調 Op.54)
5~17.24の前奏曲 Op.28 より Nos.2,4-11,13,19,21,23
スビャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
録音:1977年、ミュンヘン(1-4)、1979年3月20日、神奈川県民ホール(5-17) 原盤:Olympia
ALTO【イギリス輸入盤】
ピアノの巨匠リヒテルは、ショパンをあまり積極的に取り上げませんでしたが、バラード集とスケルツォ集は全曲、前奏曲集や練習曲集は抜粋で録音が残っています。中でも「4つのスケルツォ」は、かつてVICTORから国内盤としても発売され、多くのファンを唸らせました。リヒテルのショパンは、非常にクールで理知的であり、サロン的な甘いムードや華やかさを廃した厳格ともいえる端正さが特徴です。この「4つのスケルツォ」は、ショパンの心の奥底を表現しているかのような孤高の厳しさが感じられ、まさに純度の高い芸術作品へと昇華しています。「前奏曲集」も全曲でないとはいえ13曲もまとめて演奏しており、晩年の日本での貴重なライヴ録音です。枯淡の境地ともいえる高雅で清澄な演奏です。