カロル・シマノフスキ（1882-1937）：
1-9. ９つの前奏曲 Op.1
10．変奏曲 変ロ短調 Op.3
11. 練習曲 変ロ短調 Op.4 No.3
12-14. メトープ Op.29
15-18. 20のマズルカ Op.50より第1-4番
岩本恵里（ピアノ）
録音：2008年1月29、31日、ワルシャワ、ポーランド放送スタジオＳ１
ACTE PREALABLE【ポーランド輸入盤】
シマノフスキの初期の作品である「９つの前奏曲」から後期の作品である「20のマズルカ」までバランスのとれたプログラミングで、シマノフスキの生涯を追いつつ、そのピアノ音楽を変遷を俯瞰するようなアルバム。しかも日本人ピアニスト岩本真理さんがポーランドで録音したという興味深いもの。演奏もたいへん雄弁かつ丁寧で、録音のせいもあるのか打鍵の力強さや響きの豊かさがよりストレートに表れています。神秘主義というベールに包まれた曖昧模糊とした響きばかりに陥りがちなシマノフスキ演奏が、ここでは実に新鮮な色彩を与えられています。起伏の乏しい精気に欠けたシマノフスキの演奏が多いなか、こうした色彩感と躍動感を持ったピアノ演奏が、日本人の手によって成し遂げられていることに是非注目してほしいところです。
岩本真理は相愛大学を卒業後、ポーランドの国立ワルシャワ・ショパン音楽院やスイスのベルン芸術大学、ジュネーブ音楽院、バーゼル音楽院などで学び、それぞれを最優秀の成績で卒業したいという俊才です。また、2001年のミロシュ・マギン国際ピアノ・コンクールで第１位を収め、さらに2005年のシマノフスキ国際コンクールにおいてもピアノ部門の最優秀シマノフスキ演奏賞を獲得しています。シマノフスキ・ファン必聴の優れたアルバムです。
日本語解説も付いています。
