1-5. グリーグ（1843-1907）／マールテン・イェンセ編：組曲「ホルベアの時代から」Op.40
6. ティエリー・エスケシュ（1965-）／タンゴ・ヴィルトゥオーゾ
7-10. ラヴェル（1875-1937）／クリストフ・エンツェル編：クープランの墓
11. バルトーク（1881-1945）／シグナムＳＱ編：６つのルーマニア民俗舞曲
12-13. ショスタコーヴィチ（1906-1975）／シグナムＳＱ編：弦楽四重奏のための２つの小品
14. ペドロ・イトゥラルデ（1929-）／小チャルダーシュ
シグナム・サクソフォン・クアルテット
ブラシュ・ケンペルレ（ソプラノサクソフォン） ジーモン・シュラー（アルトサクソフォン）
アラン・ルジャル（テナーサクソフォン） ダーヴィト・ブラント（バリトンサクソフォン）
録音：2011年2月7-11日、ヴッパータール（ドイツ）、インマヌエル教会
ARS PRODUKTION【ドイツ輸入盤】
ドイツとスロヴェニア出身の奏者によって結成されたシグナム・サクソフォン・クアルテットのデビューＣＤ。ヨーロッパのサクソフォーン奏者にありがちなアクがあまり無く、アンサンブルは非常に洗練されています。特にピアニシモのコントロールが素晴らしく、ほとんどピアニシモがベースになっているといってもいいほどボリュームを絞り込んでおり、そこから生まれる繊細な音色と柔らかな響きは、ちょっと他のサクソフォン四重奏団からは得難い特徴です。まるで弦楽四重奏のような滑らかなフレージングと落ち着いた響きは、オーケストラ作品のアレンジものにピッタリで、通常のサクソフォン四重奏よりダイナミック・レンジが数倍に拡大しているように感じられます。ラヴェルの「クープランの墓」のシルキーな柔らかい響きは絶品で、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」の大きなダイナミクスから生じるうねるような高揚感も抜群です。ショスタコーヴィチは「２つの小品」は、ゆったりしたアダージョのひそやかな歌と軽快でコミカルなポルカの対比が秀逸で、原曲の弦楽四重奏にも負けない会心の演奏です。
このアルバムはSACDのマルチチャンネルに対応していますが、ハイブリッド・タイプのSACDなので通常のCDでも聴くことができます。
