1~4.ドヴォルジャーク/弦楽六重奏曲 イ長調 Op.48
5~8.チャイコフスキー/弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」Op.70
チェコ・フィルハーモニー六重奏団
ボフミル・コトメル、オタ・バルトシュ(ヴァイオリン)、ヤロスラフ・ポンジェリーチェク、ヤン・シモン(ヴィオラ)
フランチシェク・ホスト、ヨセフ・シュパチェク(チェロ)
録音:2002年2月15-17日、プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルジャーク・ホール
ARTESMON【チェコ輸入盤】
チェコ・フィルの首席奏者を中心に1994年に結成された「チェコ・フィルハーモニー六重奏団」は、ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2の編成で、世界的にも珍しい常設の室内アンサンブルです。室内楽曲はカルテットとトリオが大半を占め、それより大きい編成の作品は優れた作品でも演奏機会に恵まれないため、あえてこの編成による演奏活動に力を注いでいるという世界的に有名なアンサンブル。来日もしているので、御存知の方も多いことでしょう。
このアルバムは弦楽六重奏の2つの名曲のカップリングで、弦楽四重奏と比べると響きは重厚で、中低音の充実した落ち着いたサウンドは独特の魅力があります。ドヴォルザークにとってもチャイコフスキーにとってもこの形式では唯一の作品となります。ドヴォルザークの弦楽六重奏曲は、まさにチェコ・フィルハーモニー六重奏団にとってメインのレパートリーで、ドゥムカやフリアントといったスラヴらしい舞曲を中間楽章に置き、どこか郷愁を誘うメロディが散りばめられた美しい音楽です。チャイコフスキーの弦楽六重奏曲はサブタイトルの通り、作曲者がイタリアのフィレンツェに滞在中に創作を始めた作品。晩年の脂ののりきった時期の作品だけあって、かなり入念な対位法が盛り込まれ、しばしば弦楽アンサンブルでも演奏されます。チャイコフスキーらしいかなりロマンチックな音楽で、とりわけ第2楽章の甘美なメロディーが有名です。