フランチシェク・ヘルトル(1906-1973):コントラバスとピアノのための作品集
1-4. 4つの小品(1968); 前奏曲,ブルレスク,夜想曲,タランテラ
5-14. 30の小品(1970)から
アラ・ポラッカ,バガテル,子守歌,ブルレスク,哀悼歌,
スケルツィーノ,チェコ風,ワルツ,悲歌,フリアント
15-17. コントラバスとピアノのためのソナタ(1946)
イジー・フデツ(コントラバス)、ヤロミール・クレパーチ(ピアノ)
録音:2006年11月18日、2008年2月22日、3月13,17日、4月20-21日、
プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルジャーク・ホール
ARTESMON【チェコ輸入盤】
フランチシェク・ヘルトル(1906-1973)は、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団等の首席奏者を務めたチェコのコントラバス奏者兼作曲家。この珍しい作品を取り上げて演奏しているイジー・フデツ(1953-)は、1990年以来チェコ・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者を務めており、ヘルトルはフデツ(1953-)の大先輩に当たります。ヘルトルの「4つの小品」と「30の小品(抜粋10曲)」は、晩年の作品のせいか20世紀後半の音楽にしては尖ったところがなく、むしろ平易で親しみやすい曲想です。東ヨーロッパの伝統的なリズムやメロディーを用いているせいか、バルトークにも通じる土俗性や素朴さがあります。速いテンポの曲はスラヴの快活な舞曲を思わせ、遅いテンポは寂寥感と郷愁を感じさせます。かなり高音を多用しているせいかチェロ作品のようにも聞こえるほどですが、コントラバス奏者にとってはよきコンサート・ピースといえるでしょう。一方、比較的若い時期の作品である「ソナタ」は、ヘイトル壮年期の作だけに気合いの充実した技巧的な難曲。ヘイトルはコントラバス奏者だっただけに楽器を知り尽くしており、フデツも大先輩の作品に果敢に挑んだスリリングな熱演を繰り広げています。