1. ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス（1875-1911）／ソンデツキス編曲／５つの前奏曲（弦楽合奏のための）
2. チュルリョーニス／リトアニア民謡による変奏曲（弦楽合奏のための）
3. ユオザス・ナウヤリス（1869-1934）／トロイメライ（夢）
4. リムヴィダス・ラツェヴィシウス／Rautilio
5. ヴィタウタス・バルカウスタス（1931-）／小協奏曲
6. フェリクサス・バヨラス（1934-）／前奏曲とトッカータ
7. イェカブス・メディンス（1885-1971）／伝説（弦楽合奏のための）
8. ヤン・ラーツ（1932-）／弦楽合奏のための交響曲
9. アルヴォ・ペルト（1935-）／BACHの主題によるコラージュ
サウリュス・ソンデツキス（指揮）／リトアニア室内管弦楽団
録音：1992年、スタジオ33、ハンブルク、ドイツ
ARS VIVENDI 【ドイツ輸入盤】
ミカロユス・チュルリョーニス(1875-1911)はリトアニアの国民的英雄と目される画家・作曲家で、特に絵画では他に類を見ないほど独創的な作品を数多く残しカンディンスキーにも影響を与えています。チュルリョーニスは絵画、作曲の両方で一流の仕事を残した芸術史上稀な芸術家ですが、その絵画の神話的、幻想的、超現実的な世界は一度見たら忘れられないほど強烈な個性を持ち、大きな影響を与えたと言われます。また、かのオリヴィエ・メシアンもその宗教的な崇高さ、エクスタシーに霊感を受けたと語っています。晩年は精神の病のため不遇であったと伝えられます。作曲家としてのチュルリョーニスは、ショパンの強い影響を感じさせるピアノ曲をたくさん残していますが、このアルバムでは同じリトアニアの指揮者ソンデツキスが弦楽合奏のためにアレンジした珍しい作品を聴くことができます。さらに同じリトアニアの現代作曲家バルカウスタス（1931-）の「小協奏曲」もかっこいい作品です。
エストニアの作曲家では何といってもアルヴォ・ペルト（1935-）が有名でしょう。ヴァイオにストのギドン・クレーメルなどが積極的に紹介して一躍世界的に知られるようになりました。それ以外はほとんど耳にする機会ない作曲家たちの音楽をソンデツキスの共感満ちた熱い演奏で聴くことができる貴重なアルバムと言えるでしょう。
