セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):
CD1:交響曲第2番、ヴォカリーズ
ネヴィル・マリナー(指揮)/シュトゥットガルト放送交響楽団 録音:1989年?
CD2:交響曲第3番、合唱交響曲「鐘」
ヴァシル・ステファノフ(指揮)/ブルガリア放送交響楽団
ルミアナ・バレヴァ(Sp)、ストヤン・ポポフ(T)、パヴェル・チョルチュモフ(Br)
ヴァルナ・コンサート合唱団 録音:1990年?
CAPRICCIO【ドイツ輸入盤】
ラフマニノフの第2番は人気のある交響曲ですが、いささかカロリーが高すぎで冗長に感じるという方は意外に多いのではないでしょうか。マリナーによる第2番は、いかにもマリナーらしく淡泊な響きとスマートに整ったアンサンブルで、こってり濃厚な1,3楽章がすっきり心地いいところがポイント。そのわりに4楽章はとても充実しており、弦のビブラートを欠けまくった甘い音色が濃厚にロマンチックです。「ヴォカリーズ」はこれこそマリナーにピッタリの曲目。
2枚目のディスクは、ステファノフとブルガリア放送交響楽団による意外な好演ぶりに驚かされます。サラリとやっただけでは面白くない第3番の交響曲をスラヴ的な押しの強さをいかした味の濃い表現で、情熱的に盛り上げてくれます。旋律の歌い方もロマンチックで、同曲の隠れた名演奏といってもよいほど爽快な仕上がり。合唱交響曲「鐘」はさらに素晴らしい名演です。ブルガリアらしいパワフルな合唱とキレのいいオーケストラによるダイナミックな演奏は、西欧の一流アーティストの演奏が味気なく思えるほど面白く、曲の真価を改めて教えてくれます。