カロル・リピンスキ(1790-1861):
1〜3.2つのヴァイオリンとチェロのための三重奏曲 Op.12
4〜6.弦楽四重奏のための3つのポロネーズ Op.9
コンスタンティ・アンジェイ・クルカ、アンジェイ・ゲブスキ(ヴァイオリン)
アンジェイ・ヴルベル(チェロ)、グジェゴシュ・フミェレフスキ(4-6のみ,ヴィオラ)
録音:2004年、11月25-26日、ワルシャワ、S-2
SELENE【ポーランド輸入盤】
カロル・リピンスキ(1790-1861)は、ヴィエニャフスキ以前のポーランド音楽史上最高のヴィトルオーゾ・ヴァイオリニスト。同時代のパガニーニが唯一恐れたライバルでしたが、リピンスキの名は日本ではあまり知られていません。しかし、ポーランドでは若手ヴァイオリン奏者の登竜門であるリピンスキ及びヴィエニャフスキー国際ヴァイオリン・コンクールにその名が冠せられるほどで、リピンスキはヴァイオリンの神様的な存在です。ショパンやリスト、シューマンと共に演奏するなど、ロマン派の大作曲家たちにも大きな影響を与えました。
そのリピンスキの作品を集めたアルバムはたいへん珍しく、現代ポーランド最高のヴァイオリニストといわれるクルカの演奏という点でも注目です。クルカは近年リピンスキ作品を積極的に取り上げて世界中に紹介しているだけあって、果敢に攻め込んでくる熱い演奏です。「三重奏曲」は、熟達した書法で書かれた洗練された音楽で、2本のヴァイオリンの絡みがまことに味わい深く、ロマン派の隠れた名トリオといえるでしょう。3楽章にはパガニーニに並ぶほど非常に難しい技巧を要する部分もありますが、クルカは卓越した技術と表現力をもった名手なので全く危なげなく、むしろ悠々と楽しげに演奏しているようです。弦楽四重奏のための「3つのポロネーズ」は、作品番号は同じながら第1番から第3番までそれぞれ独立した各7分ほどの作品です。ポロネーズのリズムを基にしたロマンチックかつ情熱的な音楽を、クルカたちはこれでもかと熱い共感を込めて演奏しています。オススメです。