ハンス・ツェンダー(指揮)/南西ドイツ放送交響楽団
録音:1996-2004年
HANSSLER【ドイツ輸入盤】
現代音楽の指揮者として、また作曲家としても有名なドイツのハンス・ツェンダーによるシューベルトの交響曲全集。とはいえ、シューベルトに現代的な解釈を加えているわけでもなく、意外なほどオーソドックスなアプローチの格調高い演奏です。ピリオド楽器のスタイルとは違い、モダン・オーケストラによる旧来の編成なので響きはそれなりに厚いものの、テンポも表現もキリッと引き締まっおり、アンサンブルの精度の高さや細かいバランスまで配慮が行き届いています。躍動感のあるリズムとシャープなティンパニが全体を引き締めており、ハキハキとした勢いという点では昨今のピリオド楽器による演奏に負けてはいません。しかもツェンダーらしいクールさや知性も発揮されており、ゾクッとくるほど美しい瞬間にたくさん出会えます。普段あまり聴くことの少ない初期交響曲も、凡百の演奏ではユルく退屈に感じられますが、ツェンダーの演奏だと典雅でとても格好良く仕上がっているのがポイント。全集として手元に置いておくべき価値の高い名盤です。
薄型ボックス・ケースですので、メール便の発送も可能です。