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ルッジェーロ・リッチ/ヴァイオリンに捧げた人生(10CD)

CD1:若きリッチ(1938-1940)
1-4. J・S・バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV.1003
5. J・S・バッハ/無伴奏パルティータ第3 番ホ長調 BWV.1006より プレリュード
6. マッテゾン/アリア ロ短調
7. パガニーニ/ロッシーニの「モーゼ」の主題による序奏と変奏曲 ヘ短調
8. パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 Op.7/MS.48より 第3楽章「ロンド」
(ヴァイオリンとピアノ版)
9. サラサーテ/導入とタランテッラ Op.43
10. サラサーテ/スペイン舞曲集 Op.21より 第2番「ハバネラ」
11-14. サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン Op.20
15. イザイ/子供の夢 Op.14

 カール・フュルストナー(6-8,11-15,ピアノ)、ルイ・ペルシニェール(9-10,ピアノ)
 録音:1940年代(1-4,VOX録音),1938年(5,未発表録音),1938年(5-15,HMV録音)

CD2:1940,50年代の録音
1-3. チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
4-6. イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ長調
7. ヴィエニャフスキ/7つのエチュード・カプリース Op.18より 第4番「カプリース イ短調」
8. ショパン/夜想曲第20番 嬰ハ短調
(N・ミルシテイン編)
9. ヴィエニャフスキ/新しい手法 Op.10より 第4番「スタッカート」
 マルコム・サージェント(指揮)/新交響楽団(1-3)
 録音:1950年(1-3,DECCA録音)、1946年11月21日(4-7,ニューヨーク、ライブ)
     1947年10月5日(8-9,ニューヨーク、ライブ)

CD3:
パガニーニ/24のカプリース(奇想曲) Op.1
   録音:1949年頃

CD4:
1-4. ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調「春」Op.24
5-7. ドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタ
8-10. ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調「クロイツェル」Op.47

 エウジェニオ・バニョーリ(ピアノ)  録音:1960年代

CD5:
1. タルティーニ/コレッリのガヴォットの主題による38の変奏曲 Op.5-10
(クライスラー編)
2-4. パガニーニ/「バルカバ」による60の変奏曲 Op.14/MS.71
 録音:1995年10月3-5日(1)、1996年11月11-12日(2-4)、ザルツブルクでのスタジオ録音

CD6:アルゲリッチとのカーネギーホールでのコンサート
1-4. フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M.8
5-8. プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ Op.94a
9. イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 二短調「バラード」 Op.27-3
10. パガニーニ/「ゴッド・セイブ・ザ・キング」による変奏曲 Op.9/MS.56
11. J・S・バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV.1006より ガヴォット

 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)  録音:1979年10月20日、ニューヨーク

CD7:
1-6. エルンスト/無伴奏ヴァイオリンのための重音奏法の6つの練習曲
7-15. ヴィエニャフスキ/新しい手法 Op.10

 録音:1983年7月

CD8:パガニーニ:ヴァイオリンとギターの作品集
1. カンタービレ ニ長調 Op.17/MS.109
2. タランテッラ イ短調
(ヴァイオリンとギター版)
3. パイジェルロの「水車屋の娘」より「うつろな心」による序奏と変奏曲 Op.38/MS.44
4-5. カンタービレとワルツ ホ長調 Op.19/MS.45
6-8. チェントーネ・ディ・ソナタ Op.64/MS.112より 第1番 イ短調
9-10. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 イ長調 Op.2-1/MS.26
11-12. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 イ長調 Op.2-4/MS.26
13-14. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 イ長調 Op.3-1/MS.27
15-16. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 ト長調 Op.3-2/MS.27
17-18. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 ニ長調 Op.3-3/MS.27
19-20. ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 ホ短調 Op.3-6/MS.27
21. ロッシーニ「エジプトのモーゼ」より「星の輝く王座から」による序奏と変奏曲 ヘ短調
22. カプリース第24番による華麗なる変奏曲
23-24. ヴァイオリンとギターのためのソナタ イ長調 Op. posth.

 ステーファノ・カルディ(ギター)

CD9:サラサーテ作品集
1. ぺテネラス Op.35
2. ルーマニアのメロディ Op.47
3. サン・フェルミンのホタ Op.36
4. ミラマール・ソルツィーコ Op.42
5. アンダルシア・セレナード Op.28
6. ロシアの歌 Op.49
7. ホタ・アラゴネーサ Op.27
8. さらば我がモンタナ Op.37
9. ホタ・デ・パブロ Op.52
10. スペインの踊り Op.39
11. ナイチンゲールの歌 Op.29
12. ファウスト幻想曲

 グラエム・マックノート(ピアノ)  録音:1992年5月

CD10:ヴュータン作品集
1. ファンタジア・アパッショナータ Op.35
2. バラードとポロネーズ Op.38
3-5. 3つの無言歌 Op.7(愛の歌/絶望/思い出)
6. 3つのサロン風小品 Op.32より 第2番「ロンディーノ」
7-8. 6つのサロン風小品 Op.22より 第4番「タランテラ」、第3番「瞑想」
9. アルバムの綴り Op.40より 第1番「ロマンス」
10. パガニーニへのオマージュ Op.9
11. 4つの無言歌 Op.8より 第2番「イノセンス」
12. アメリカの思い出 「ヤンキー・ドゥードゥル」 Op.17

 マルコ・ヴィンセンツィ(ピアノ)  録音:1995年5月

全てルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)

ルッジェーロ・リッチ/ヴァイオリンに捧げた人生(10CD)

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DYNAMIC【イタリア輸入盤】

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ルッジェーロ・リッチ(1918-2012)はアメリカを代表する名ヴァイオリニスト。天才少年としてわずか10歳でデビューして以来、現在にいたるまでの長い経歴と莫大なレパートリーとレコーディングを誇り、ヨーロッパの伝統的な巨匠様式を今日に受け継ぐヴァイオリニストです。とりわけ華麗な演奏技巧と美しい音色、独特な楽器の歌わせ方が特徴的で、パガニーニやサラサーテなどの演奏に関しては抜群の人気を誇っています。このアルバムは、リッチのデビュー75周年(!!)の記念盤で、2002年リリース当時も80歳を超える高齢ながら現役として活躍していました。
10歳でコンサート・デビューしたリッチですが、ヨーロッパでピアストロとクーレンカンプの元で更に修行を積み、20歳になってようやく再デビューを果たしました。1枚目のアルバムは、まさにその頃の貴重な初期録音であり、若きリッチの端正で真面目な演奏ぶりは実にフレッシュで気持ち良いものです。この頃からJ・S・バッハやサラサーテ、イザイを得意とし、晩年に至るまで連綿と演奏し続けていったリッチの長い人生を振り返るには格好のアルバムです。2枚目と3枚目のアルバムは1940-50年代の録音で、中でもパガニーニの「24のカプリース」は、リッチの看板とも言える曲目として、生涯に数限りなく演奏し、何度も録音をしています。いずれの録音も世界中で決定盤と絶賛されましたが、この1949年盤は特に気合いが入っており、果敢に攻め込んだ厳しい表現が聞き物です。名指揮者サージェントと組んだチャイコフスキーのコンチェルトもモノラル期にはとても人気のあった録音で、以前PEARLレーベルがCD化したことがあります。リッチの優れた技巧は切れ味抜群で、たっぷりと歌った個性的な表現は、今なお大変面白いものです。
4枚目のアルバムは、恐らく1960年代の録音と思われますが、リッチにしてはちょっと珍しいベートーヴェンとドビュッシーのヴァイオリン・ソナタというのが興味深いところです。特に「春」はユニークな名演で、ピアノと合わせようという意識がないのか、拍にしばられず飄々と自由に歌ったり、己の信じるところを突き進むうちに興に乗って盛り上がったり、と油断も隙もありません。しかし、これが「春」の雰囲気に妙にマッチしており、「クロイツェル」とともにベートーヴェンらしい強い緊張感を保ったドラマチックな演奏です。
5枚目以降は、イタリアDYNAMICレーベルに残した1980-90年代の比較的新しい録音で、晩年のリッチの至芸を大いに堪能することができます。若き日からヴィルトォーゾとして活躍してきたリッチならではの選曲は、ヴァイオリン・ファンには大いに興味があることでしょう。エルンストやヴィエニャフスキ、パガニーニらの無伴奏作品は、超絶技巧で知られる難曲ばかりですが、リッチは嬉々として愉しげに演奏しています。技巧があまり衰えていないどころか、音楽に対して若々しいひたむきさと新鮮な感興を保ち続けていることに驚かされます。ちょっとやんちゃな演奏をすることもあるリッチにぴったりのサラサーテやヴュータンも終始溌剌としており、ヴァイオリン音楽を聴く醍醐味を味わえます。
もっとも強烈なのは6枚目のアルゲリッチとのリサイタル。聴衆の拍手やざわめきまでリアルに再現されるコンサートの録音は臨場感たっぷりです。フランクのヴァイオリン・ソナタではリッチもアルゲリッチも音楽に没入しきっており、手に汗に握る迫真の熱演ぶりに観客も楽章の途中で思わず拍手してしまうほど。プロコフィエフは一転してクールで端正な演奏になりますが、どこか愛嬌やロマンが発露してしまうのはリッチらしく、冷徹な厳しい音楽の中にシニカルな笑いを込めたプロコフィエフの音楽との相性もピッタリです。その後に続くアンコールこそ、リッチの本領発揮。観客を笑わせ、驚かせ、感動させるリッチの手練手管の手腕はさすがです。ヴァイオリンの巨匠なのに、このエンターテイナーぶりはまことに立派!ヴァイオリン・ファンには絶対オススメのアルバムです。
厚さ3センチ弱のスリム・ボックス・ケースです。

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