フランツ・シューベルト(1797-1828)：
１～３．３つのピアノ曲（即興曲）D.946
４～７．ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
ニコラウス・ラフゼン（フォルテピアノ） 録音：2004年
CELESTIAL HARMONIES【アメリカ輸入盤】
ニコラウス・ラフゼンは1960年生まれのドイツのピアニストで、エッシェンバッハやゲルバーらに師事した逸材。特にエッシェンバッハからその才能を高く評価されていましたが、2005年に惜しくも44歳で亡くなってしまいました。このシューベルトのアルバムは、世間ではまだあまり知られていないものの、ラフゼンの代表作ともいえるたいへん優れた演奏です。敢えてフォルテピアノを用いた意図がハッキリと伝わるほど音色が多彩で、しかもレトリックな温かさがあります。「３つのピアノ曲（即興曲）」は、優しさと切なさがにじみ出た実に味わい深い演奏です。さらに「ピアノ・ソナタ第21番」は、シューベルトの晩年の音楽が持つ悲哀や諦観が見事に表現された会心の出来映え。同じ若くして世を去ったシューベルトとラフゼンのシンクロニシティを感じさせ、聴き手を強く惹きつけます。オススメです。
