1-3. ショパン／ピアノ協奏曲第２番 ヘ短調 Op.21（２台ピアノ版）
4. ショパン／２つのピアノのためのロンド ハ長調 Op.73
5. ショパン／ゴールドストーン(1944-)編／ロッシーニの主題による変奏曲（４手連弾版）
6. シュット(1856-1933)／ショパンのピアノ・ソナタ第３番によるワルツ＝パラフレーズ（２台ピアノ）
7. ショパン／コーダー(1852-1932)編／ワルツ 変ニ長調「小犬のワルツ」（２台ピアノ版）
8. ショパン／ストロ(1872-1970)編／夜想曲 変ホ長調 Op.9-2（２台ピアノ版）
9. ブラームス(1833-1897)／ゴールドストーン編／ショパンに基づく練習曲（２台ピアノ版）
10. ショパン／ゴールドストーン編／ムーアの民謡風な歌による変奏曲（４手連弾版）
11. ゴールドストーン(1944-)／革命的雨だれラグ（２台ピアノ）
ゴールドストーン＆クレモフ（ピアノ） 録音：2008年
DIVINE ART【イギリス輸入盤】
たいへん珍しいショパンのピアノ・デュオのための作品集で、半数以上は世界初録音とのこと。中でも「ピアノ協奏曲第２番」の２台ピアノ版は、最近出版されたという直筆譜のスコアをもとに、ショパンとその弟子カール・ミクリ(1819-1897)によるピアノ伴奏部分を再現して演奏したものです。その経緯や作品分析については解説に詳しく載っていますが、いずれにしても興味深い試みであると同時に貴重な録音といえるでしょう。もともと伴奏部分を２ndピアノに置き換えただけなので、演奏自体はごく自然で美しい仕上がりです。
その他の作品は、ショパンの作品、またはショパンの作品を元にして作られた他の作曲家の作品をピアノ・デュオにアレンジした珍しいものがズラリと並べられ、かなりマニアックなショパン企画となっています。学術的な価値は分かりませんが、ゴールドストーンの編曲や演奏は真面目なものであり、シュット(1856-1933)やブラームス(1833-1897)の作品などもショパン・ファンにとっては非常に興味深いものでしょう。２台ピアノ版の「子犬のワルツ」や「夜想曲 変ホ長調」は何とも不思議なアレンジで、さすがに違和感を感じるものの、ゴールドストーン自身の「革命的雨だれラグ」となると思わずニヤリと笑ってしまうほど楽しい作品。
有名・無名を問わず良い作品をピアノ・デュオで弾きまくるベテラン・コンビ、ゴールドストーン＆クレモフはイギリスを代表するピアノ・デュオ。彼らはすでに20年以上活動し、たくさんの作品を演奏・録音してピアノ・デュオの魅力を伝導し続けています。
