1. 梁田貞／城ヶ島の雨
2. 民謡／五木の子守唄
3. 民謡／南部牛追い歌
4. 平井康三郎／平城山
5. 滝廉太郎／荒城の月
6. 山田耕筰／この道
7. 宮城道雄／春の海
8. 清瀬保二／何となく
9. 杉山長谷夫／出船
10. 清瀬保二／笛
11. 山田耕筰／中国地方の子守唄
12. 越谷達之助／初恋
13. 清瀬保二／砂山の
14. 清瀬保二／東海の
15. 清瀬保二／さらさらと
16. 山田耕筰／からたちの花
17. 近衛秀麿／ちんちん千鳥
18. 岡野貞一／朧月夜
19. 山田耕筰／かやの木山の
20. 平井康三郎／ゆりかご
21. 山田耕筰／あわて床屋
正木裕子（ソプラノ）、マルク・グローウェルス（フルート）
イングリッド・プロキュルール（ハープ）、ウラディーミル・メンデルスゾーン（ヴィオラ）
録音：1995年3月、ベルギー、モン・サン・ジベール・バプティスト教会
NAXOS【香港輸入盤】
日本人と西洋クラシック音楽が出会って誕生した最も素晴らしい成果の一つが、当盤収録されているような数々の芸術歌曲たちです。私たちが何気なく触れるこういった作品も、日本的な味わいのある旋律と日本人の感性にダイレクトに訴えかける叙情性を、西洋音楽の枠組の中に構築するという、実はなかなか困難な一大事業の結実であるといってよいでしょう。山田耕筰や清瀬保二、滝廉太郎、宮城道雄といった優れた作曲家の音楽と、石川啄木や北原白秋らの優れた詩のコラボレーションは、いまなお格調高く感動的。かれらの業績はもっと広く認知されるべきでしょう。
このアルバムでは、日本語での歌唱に加え、琴と尺八ならぬ(でも雰囲気は似ている)ハープとフルート、それにヴィオラを加えた渋くて控え目な編成により、日本的なムードを巧みに演出しています。外国人が歌う日本歌曲にはどこか違和感が感じられることがありますが、パリやブリュッセルで声楽を学びヨーロッパ中心に活躍している正木裕子さんの歌は発音も万全で、表情豊かな「この道」をはじめ繊細で美しい歌唱が心に染みます。驚くべきはマルク・グローウェルスのフルートの語り口の巧さ。欧米にありがちな表情の濃さがなく、ビブラートも
