ドミトリー・ヤブロンスキー（チェロ） 録音：2004年11月8日、2006年3月27日
NAXOS【香港輸入盤】
ダヴィッド・ポッパー(1843‐1913)はチェコ生まれの名チェリストで、プラハ音楽院で学んだ後、ウィーン宮廷歌劇場管弦楽団の首席奏者、ヘルメスベルガー四重奏団やフバイ四重奏団のメンバーなどを務め、1896年からはブダペスト音楽院の教授となりました。また、優れた作曲家でもあり、４つのチェロ協奏曲をはじめ多くのチェロ作品を作曲したほか、教則本なども書いているため、現在もチェロに詳しい方にはよく知られている存在です。とはいえ小品が時々取り上げられる以外、なかなか演奏機会も少なく、このアルバムに収められた「チェロ演奏の高等課程への練習曲 Op.73」は貴重な録音といえるでしょう。
チェロを弾かない方にとってはほとんど馴染みが無く、「なんだ、ただの練習曲か・・・」などと思うかも知れません。しかし、チェロ弾きにとってはショパンの練習曲に匹敵すると言われており、かなり難度の高い有名な教材です。チェロを習得する際に不可欠な（それも高度な技術）40の小品は、ピアノで言えばハノンの練習曲に近いものもありますが、とにかく聴いてみてください。練習曲という無味乾燥なイメージとは違い、曲は何とも味わいがあって面白いものです。例えば第２番の冒頭の
