アストル・ピアソラ(1921-1992)：ドナート・デ・セナ編曲
１．ビオレンタンゴ
２．アメリタンゴ
３．トリスタンゴ
４～７．ブエノスアイレスの四季
８．ウンデルタンゴ
９．ノヴィタンゴ
10．タンゴの歴史
11．天使の死
12．メディタンゴ
13．アヴェマリア
14．オヴリヴィオン（忘却）
15．リベルタンゴ
クィンテット・ディ・オットーニ・エ・ペルクッシオーニ・デラ・トスカーナ
アンドレア・デルッラ、ドナート・デ・セラ（トランペット）、パオロ・ファッジ（ホルン）
アントニオ・シコーリ（トロンボーン）、リッカルド・タルリーニ（テューバ）
ロベルト・ビッキ（パーカッション）、アンドレア・タッキ（ヴァイオリン）
録音：2009年10月4-7日、イタリア、ルッカ、アウディトリウム・デル・スッフラギオ
NAXOS【香港輸入盤】
今や、知らぬもののないほどに人気を博しているピアソラ(1921-1992)のタンゴ。ピアノで演奏したり、ヴァイオリンで演奏したりと、あらゆる楽器でのラインナップが揃っている感がありますが、このアルバムで闊達な演奏を繰り広げるのは、何と金管五重奏とパーカッション。そして曲によってヴァイオリンのオプション付き！という驚きのアンサンブルで、全てこの金管アンサンブルのトランペット奏者でもあるドナート・デ・セナによる編曲です。クィンテット・ディ・オットーニ・エ・ペルクッシオーニ・デラ・トスカーナは、イタリアらしい派手目の開放的な響きを持ち（特にトランペットは濃ゆい）、なかなか上手くてカッコいい。ドラムはノリノリで、ヴァイオリンは滴るような甘い音色で歌いまくり、同じラテンとはいえ、徹底的にイタリアチックな極彩色の演奏です。アルバムの中心となるのは、もちろん「ブエノスアイレスの四季」。ピアソラがブエノスアイレスの波止場を散歩しながらヴィヴァルディの四季に思いを馳せたかのような、かなりユニークかつ独創的な編曲で、２人の大作曲家が250年の年月を超えて手を取り合い踊る様が描かれているかのようです。ピアソラ演奏に新たな可能性を示した刺激的な１枚です。
