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プロコフィエフ/交響曲第5番、交響的組曲「1941年」

マリン・オールソップ(指揮)/サンパウロ交響楽団

録音:2011年8月26-31日、ブラジル、サラ・サンパウロ

プロコフィエフ/交響曲第5番、交響的組曲「1941年」

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1,273円 (税込)

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マリン・オールソップ(1956-)は、アメリカの女性指揮者。1989年のタングルウッド音楽祭ではクーセヴィツキー賞を受賞し、バーンスタインや小澤征爾に師事しました。1993年にはコロラド交響楽団の音楽監督に就任して注目を集め、世界中の一流オーケストラに客演するようになりました。さらに2002年からはイギリスのボーンマス交響楽団の首席指揮者に就任し、2003年度英グラモフォン誌で「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出されるなど高い評価を受けました。2007年からはアメリカのボルティモア交響楽団の音楽監督に就任し、メジャー・オーケストラの初の女性指揮者となり、バーバーやバーンスタインをはじめとしたアメリカのクラシック音楽をNAXOSレーベルに多数録音を行い、大変な人気を集めています。数々の優れたアルバムにより世界的な評価を集めたオールソップは、ボルティモア交響楽団との2009年までの契約を2015年にまで延長し、さらに2012年からはブラジルのサン・パウロ交響楽団の首席指揮者に就任することが決まりました。
このアルバムはそのサン・パウロ交響楽団との初録音ですが、ロシアのプロコフィエフを取り上げたのは意外であり、しかも想像以上の優れた演奏であることに驚かされます。1944年に作曲された「交響曲第5番」は、プロコフィエフの最大傑作の一つとされています。これは、当時、ヒトラー率いるドイツ第三帝国が、一方的にソ連に攻め入ることで祖国愛に目覚めたというプロコフィエフが、自ら持てる音楽の力で、祖国に貢献すべく作曲した作品であり、構想からわずか1か月でピアノ・スコアが完成、そこから1か月でオーケストラのスコアが完成したというのですから、その創作意欲には並々ならぬものがあったのは間違いありません。ピアノやハープ、充実した打楽器群を含む3管編成のオーケストラで奏されるこの作品、最初は静かに始まりますが、曲が進むにつれ、少しずつ盛り上がり、暴力的なスケルツォを経て、第3楽章の葬送行進曲風の音楽へと進み、最終楽章で音楽は最高潮に達します。いささか唐突に終わるのは、人類に対して何かを問いかけているのかもしれません。しかし、この名曲は近年はあまり演奏されることはなく、また優れた演奏に恵まれているとは言えませんでした。ロシアのオーケストラによる演奏はあまりにパワフルでがさつなものが多く、聴いていると疲れを感じるほどヘビーに感じられたものでしたが、このオールソップの演奏は良い意味でロシア的な重苦しさがなく、解放的な明るさとともに細部まで見通しの良いところが特徴です。サンパウロ交響楽団も充分に機能的でパワフルながら、オールソップはゴテゴテしたオーケストレーションを1つ1つ丁寧にバランスを整えることで、重層的な音楽を見事にスッキリとした響きで聴かせてくれます。さらに、リズムの正確さやアーティキュレーションの徹底度も素晴らしく、これまでになく軽やかで洗練された演奏になっています。この曲がスッキリとした輝かしいハーモニーをもった美しく色彩的な音楽であることを充分にアピールしており、オールソップはこれまでにない新鮮なプロコフィエフ像を描くことに成功したといえるでしょう。交響組曲「1941年」は、独ソ戦争勃発を契機として書かれた作品で、こちらもオールソップの冷徹な指揮が曲全体を引き締めています。NAXOSレーベル中でも出色の名盤として強力にオススメです。

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