1~4.シューマン(1810-1856)/ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11
5~8.リスト(1811-1886)/ピアノ・ソナタ ロ短調
9.リスト/詩的で宗教的な調べ から「葬送曲」
ラザール・ベルマン(ピアノ) 録音:1990年9月9日、モントリオール(カナダ)
PHOENIX CLASSICS【イタリア輸入盤】
ラザール・ベルマン(1930-2005)は、鮮やかな超絶技巧で知られたロシアのヴィルトォーゾ・ピアニストで、とりわけリスト演奏に定評がありました。3,4歳頃からコンクールやコンサートに参加して、ギレリスからも「神童」と賞賛させるほどでした。その後、モスクワ音楽院でアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルに師事し、ソフロニツキーやマリヤ・ユーディナ、リヒテルなどの巨匠たちからも指導を受けました。数々の国際コンクールで入賞を果たし、ロシアや東欧での華やかな演奏活動ぶりは、アシュケナージと肩を並べるほどでした。しかし、東西冷戦が緊張するなか、ベルマンも活動を制限され、自己研鑽に励む期間が長かったので、しばらくは幻のピアニストとなっていました。そのベルマンが再び脚光を浴びたのは1975年以降で、アメリカやイギリスでの演奏会では、その超絶技巧が絶賛され、一流アーティストたちとの録音もたくさん行いました。しかし1980年頃から再びソ連当局からの圧力が厳しくなって西側での活動が著しく制限され、1990年にはベルマンもついにロシアを離れてイタリアに移住しました。イタリアでは大変な人気ぶりで、晩年は後進の指導にも熱心に取り組み、特にリスト・ファン