1~3.J・S・バッハ/トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564(ブゾーニ編曲版)
4~6.ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第23番へ短調op.57「熱情」
7.武満徹/遮られない休息 より 第1曲「ゆっくり悲しく語りかけるように」
8.湯浅譲二/内触感的宇宙
9~11.プロコフィエフ/ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83「戦争ソナタ」
12.ショパン/ノクターン Op.15-2
園田高弘(ピアノ) 録音:2003年10月31日、サントリーホール(ライヴ)
アクースティカ 【国内盤】
園田高弘(1928-2004)は、日本の音楽界を演奏者・教育者として長年リードし続けた長老ピアニスト。惜しくも2004年に亡くなってしまいましたが、生涯現役を貫き、その豊かな経験とレパートリーの広さ、見識の高さで大いに尊敬を集めました。レオ・シロタやマルグリット・ロンに師事し、ヨーロッパ各地やアメリカで演奏活動を行った園田高弘は、日本ではベートーヴェンやバッハの演奏・録音で音楽ファンの心を掴み、高い評価を受けました。また同時代の邦人作品も積極的に取り上げ、このアルバムでもレパートリーの広さがそのまま表れています。
冒頭のバッハ(ブゾーニ編)の「トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564」からして堂々たる演奏ぶりで、ベートーヴェンの「熱情」やプロコフィエフの「戦争ソナタ」もエネルギーにあふれており、75歳とは全く思えないガッチリしたタッチと重厚な響きには驚かされます。武満徹や湯浅譲二の作品も園田高弘が初演した作品とのことで、まさに偉大なピアニストの人生を総括したような優れた内容のアルバムです。2004年レコード・アカデミー賞器楽部門受賞した名盤です。