1~5.ヤナーチェク/シンフォニエッタ
6~9.ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)/ライプツィヒ放送交響楽団
録音:1972年9月29日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、STEREO(シンフォニエッタ)
1967年11月14日、ライプツィヒ・コングレスハレ、MONO(新世界より)
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「シンフォニエッタ」はケーゲルらしい生真面目な演奏で、規律正しくキッチリした表現とみなぎる緊張感がどことなく軍隊的でユニークです。ひどく几帳面な引き締まった演奏とはいっても決してつまらない演奏ではなく、むしろかなり情熱的で狂気を感じさせるほど。ちょっと野暮ったい金管がガンガンに吹きまくり、最後のコーダの圧倒的な盛り上がりは一聴の価値があります。
一方の「新世界」はモノラル録音とのことですが、モノラル最後期らしい良好なサウンドです。1楽章の前半部はライヴゆえのミスも散見されるものの、ギリギリと締め上げるような厳しい表情はさすがケーゲルです。第2楽章「ラルゴ」は怖いほど寒々しく、第3楽章はシャープなリズムに乗って怒濤のように突き進みます。フィナーレも何をそんなに怒っているかと思うほどキレ気味の押しの強い演奏で、曲が終わってから拍手までの一瞬のタイムラグは、ケーゲルの重圧的な演奏から解放されてホッとした観客の心を表しているようです。