1-4. ブラームス／ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40
5-7. モーツァルト／ホルン五重奏曲 ホ短調 K.407
8-10. ベートーヴェン／２つのホルンと弦楽四重奏のための六重奏曲 変ホ長調 Op.81b
11. シューベルト／「流れの上で」 Op.post119, D.943
リチャード・キング（ホルン）
エイミー・リー（1-4,8-10,ヴァイオリン）、オーリ・シャハム（1-4,8-10,ピアノ）
佐藤マリ（5-10,ヴァイオリン）、リン・ラムゼイ（5-10,ヴィオラ）
スタンレイ・コノプカ（5-7,ヴィオラ）、ジュリー・マイヤーズ・キング（5-7,ピアノ）
ジェシー・マコーミック（8-10,ホルン）、ポール・クシウス（8-10,ヴィオラ）
ジュンユン・オー（11,ソプラノ） 録音：2011年5-6月
ALBANY【アメリカ輸入盤】
リチャード・キングはジュリアード音楽院とカーティス音楽院で学んだアメリカのホルン奏者。1988年クリーヴランド管弦楽団に加わり、1997年から首席ホルン奏者を務めている腕利きです。ソリストとして東京交響楽団とも共演したことがあり、日本でもコンサートやマスター・クラスを行い、ホルン・ファンには非常に人気がある奏者です。このアルバムではホルンを中心にすえたお馴染みの古典的名曲を集めています。ブラームスの「ホルン五重奏曲」では、キングの柔らかくメロウな音色としなやかなフレージングがロマンチックな曲想に実に良くマッチしており、ピアノやヴァイオリンとの白熱したアンサンブルもスリリング。あまたある同曲の録音の中でもベストといえる素晴らしい演奏です。
また、モーツァルトやベートーヴェンにおいても、キングの深みのある柔らかい音色はドイツ的なサウンドにピッタリであり、軽やかでありながら深々とした表現も魅力的です。モーツァルトの「ホルン五重奏曲」は愉悦の極みで、まるで往年の名ホルン奏者デニス・ブレインが現代に蘇ったような演奏といっても過言ではありません。いずれもクリーヴランド管の首席に恥じない名演奏であり、リチャード・キングが一流の音楽家として更なる高みに昇ったことが窺えます。加えて奥行きと立体感のある録音も秀逸。ホルン・ファンはもとより、モーツァルトやベートーヴェンがお好きな方にも強くお勧めできます。
