1-3. ケヴィン・クルーメンナウアー(1977-)/ブルー・オン・レッド(2005)
4-7. ジャック・スタンプ(1954-)/交響曲第1番「デイヴィッド・ダイアモンドの思い出に」(2006)
8-10. マスランカ(1943-)/交響曲第2番(1985)
スティーヴン・K・スティール(指揮)/イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニー
発売:2008年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
吹奏楽の名門イリノイ州立大学ウィンド・シンフォニーによる新作2曲と吹奏楽界の大御所マスランカの交響曲第2番を収めたズッシリとした手応えのあるアルバムです。若手アメリカ人作曲家クルメナウアーの「ブルー・オン・レッド」は、悲しみと死から生命と祝賀への移り変わりをタイトルの2つの色、青と赤でその感情の起伏を表しています。リズミックでエネルギッシュな2楽章「Your Heart is Beautiful」が聞きものです。ジャック・スタンプの「交響曲第1番」やマスランカの「交響曲第2番」は、交響曲と名乗っているだけに吹奏楽の作品としては規模も大きく、シリアスな内容の聴き応えのある音楽。スタンプの「交響曲第1番」は、華麗な第1楽章が断然面白く、チューバが大活躍します。マスランカはイリノイ州立大学ウィンド・シンフォニーが特に力を入れて演奏し続けている作曲家で、「交響曲第2番」は極めて高等な技術を必要とするだけでなく、圧倒的なパワーと深い音楽性で迫る大変な力作です。金管のハイトーンやカラフルな打楽器が多用されていますが、それでいて音楽は終始痛切な悲しみをたたえ、鋭い表現が胸に突き刺さるようです。演奏も激しく凄まじいもので、手に汗握る緊張感がたまりません。まさに現代吹奏楽の屈指の名曲・名演といえるでしょう。
※CDケースなどでは収録曲順の誤りがございます。トラック1~4がジャック・スタンプの作品となっていますが、実際はトラック4~7となっており、クルーメンナウアーの作品は実際にはトラック1~3となっております。予めご了承下さい。