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「シューベルト・ディアローグ」~ヴィトマン、リーム、マントヴァーニ、シュネーベル

1. イェルク・ヴィトマン(1973-)/管弦楽のための歌(2003)
2-3. ヴォルフガング・リーム(1952-)/「現象」~シューベルトについてのスケッチ、9つの弦楽器とピアノのための(1978)
4. ブルーノ・マントヴァーニ(1974-)/「表情豊かに」~クラリネットと管弦楽のための(2003)
5. ディーター・シュネーベル(1930-)/シューベルト・ファンタジア(1978/1989)

ジョナサン・ノット(指揮)/バンベルク交響楽団   録音:2002-2004年

「シューベルト・ディアローグ」~ヴィトマン、リーム、マントヴァーニ、シュネーベル

価格:

2,343円 (税込)

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TUDOR【スイス輸入盤】

思わぬヒットとなった前作「シューベルト・エピローグ」のアルバムに続く現代作曲家によるシューベルトを題材にした作品集。シューベルトは現代の作曲家にとって過去の作曲家でも単なるソング・ライターでもないようで、たくさんの現代作曲家がシューベルトの音楽を使って新たな音楽を再創造をしています。今回もヴォルフガング・リームといった大物から、ヴィトマンやマントヴァーニといった気の若手作曲家まで興味深い4作品を集めています。
メインとなるのはイェルク・ヴィトマン(1973-)の「管弦楽のための歌」。ヴィトマンといえば1973年ミュンヘン生まれの現代作曲家として超売れっ子の存在ですが、クラリネット奏者としても活躍しているマルチな音楽家です。「管弦楽のための歌」は30分もかかる大作ながら、シューベルトのメロディの断片を縦横に用いつつ、かなりマーラーを意識した大規模なオーケストレーションと身振りの激しい刹那的な音楽となっており、最後まで全く飽きさせません。現代音楽にしてはとても美しく、聴きやすい管弦楽曲といえるでしょう。これを聴いているとシューベルトを起源としたドイツ=オーストリアの交響曲の系譜が、ブルックナーやマーラーを通じて現代へと連綿と受け継がれていることが強く感じられ、ノットやヴィトマンの企みが実に鮮やかかつ巧妙に聴き手に伝えられています。
ヴォルフガング・リーム(1952-)は、衝撃的な技法が生み出す斬新な音響の作品で知られ、現代作曲家の中では例外的なほど人気が高く、演奏機会も録音も多い作曲家ですが、1978年作の「現象」は初期の作品のせいか、さほど刺激的ではなくちょっと期待はずれ。しかし、続くブルーノ・マントヴァーニのクラリネットと管弦楽のための「表情豊かに」は、現代音楽らしい先鋭的で面白い作品です。マントヴァーニは、先頃36歳と言う異例の若さでパリ音楽院長に就任したフランス音楽界期待のホープだけに、斬新な技法を駆使したクラリネット・ソロとアイデア満載の色彩豊かなオーケストラが織りなすパワフルな音楽は圧巻です。最後のディーター・シュネーベル(1930-)の「シューベルト・ファンタジア」は、「ピアノ・ソナタ第18番 ト長調 Op.78 D.894」を基に現代風のオーケストレーションを施した作品。暗黒の霧を思わせる弦楽器の現代的なハーモニーの持続音を背景に、ピアノ・ソナタ第18番の印象的な美しいメロディの断片が管楽器によって次々と演奏されていきます。まさにシューベルトの幻想性を現代的に再創造した面白い作品です。
ジョナサン・ノットは1962年生まれのイギリスの指揮者。2000年1月にバンベルク交響楽団の音楽監督に就任するまでは、ドイツの伝統的な指揮者の典型ともいえる「カペルマイスター」的なキャリアを着実に歩んできました。バンベルク交響楽団に新たな全盛期をもたらしているジョナサン・ノットは、これまでTUDORレーベルに独墺系の音楽を中心に録音しており、マーラーやラフ、シューベルトの交響曲集はすでに高い評価を受けています。一方でジョナサン・ノットは、現代音楽も得意としており、アンサンブル・アンテルコンタンポランの首席客演指揮者として、多くの新作初演を手がけてきたほか、あるテーマのもと、クラシックと現代音楽をカップリングしたコンサートを制作するなど、そのユニークな姿勢は幅広い聴衆から支持されています。現代音楽ファンにもシューベルト・ファンにもオススメできるアルバム。

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