1-3. ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
4-6. シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
フェリシア・ブルメンタール(ピアノ)
ミヒャエル・ギーレン(指揮)/ウィーン国立歌劇場管弦楽団 録音:1958年(1-3)
ハンス・スワロフスキー(指揮)/ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 録音:1958年(4-6)
TUXEDO【スイス輸入盤】
フェリシア・ブルメンタール(1908?-1991)は、ワルシャワ生まれの女流ピアニストで、第2次世界大戦から逃れるためブラジルに移住し、かの地で一躍人気を獲得しました。ヴィラ=ロボスをはじめ南米の作曲家たちは彼女の演奏にたいへんな感銘と刺激を受けたといわれます。その後ブルメンタールは1954年にヨーロッパに復帰し、ポピュラー・レパートリーを相次いで演奏・録音しましたが、その後はありとあらゆる珍しいピアノ作品の演奏に情熱を傾け、マニアックなレパートリーでは他の追随を許さない個性的な地位を確立しました。彼女のレコーディングはメジャー・レーベルではなかったことやレパートリーが特殊であったため、なかなかCD化されることもなく、ブルメンタールは知る人ぞ知る幻のピアニストになっています。
このアルバムは彼女がヨーロッパ復帰した頃の録音で、ラフマニノフでは当時の若手俊英指揮者ギーレンのサポートしているところも興味深いところです。ブルメンタールの演奏は、オケとの息の合わない部分が多少見受けられるものの、なかなか情熱的でパワフル。ラフマニノフはザックリとした豪快なギーレンの伴奏もけっこう味があって面白く、シューマンも手堅くまとまっています。ブルメンタールに関心がある方には貴重なアルバムといえるでしょう。