ニコライ・カルロヴィチ・メトネル(1880-1951):
1. ピアノ・ソナタ ト短調 作品22
2-7. 忘れられた調べ 作品40
第1曲 歌のある舞曲
第2曲 交響的舞曲
第3曲 花の舞曲
第4曲 歓喜の舞曲
第5曲 波の舞曲
第6曲 酒神賛美の舞曲
8-9. 牧歌ソナタ ト長調 作品56
イリーナ・メジューエワ(ピアノ) 録音:2002年4月、新川文化ホール
若林工房【国内盤】
ロシアの作曲家でピアニストでもあったニコライ・カルロヴィチ・メトネル(1880-1951)は、ラフマニノフの友人で、ロシア革命のあとはフランスに亡命し、晩年はイギリスで過ごしました。このメジューエワをはじめ、近年たくさんのピアニストが積極的にメトネル取り上げるようになったおかげで、再評価のムードが高まり演奏機会も増えつつあります。メトネルといえば、14曲のピアノ・ソナタを中心に多数のピアノ独奏曲が知られていますが、収録されたレパートリーはいずれもメジューエワの「代名詞」とも呼ぶべきもの。ト短調ソナタ(op.22)は、ギレリスやホロヴィッツ、グリンベルクなども愛奏したメトネルの代表的ソナタのひとつ。「忘れられた調べ」op.40は同名のシリーズ三連作の掉尾を飾る全6曲の舞曲集。そして、メトネル最後のピアノ・ソナタで、シンプルな作風が魅力的な佳品「牧歌ソナタ」。若く瑞々しい感性と豊かな歌心に満ち溢れながらも、ある種の落ち着きと精神的な深みを持ち合わせたメジューエワの演奏は、「レコード芸術・特選盤」に輝くなど各方面で高い評価を獲得しました。
2002年に音楽之友社よりリリースされながら、長らく入手困難な状態が続いていたアルバムで、今や日本でも有数のレコーディング・アーティストに成長した彼女の記念すべき名盤が、日本コンサートデビュー15周年を機に若林工房から待望の復活リリース。今回のリリースにあたっては再マスタリングを施すと同時にジャケット・デザインも一新されています。未開封新品です。
メトネルの言葉「その本質とは歌にある」が、アルバム・コンセプトとして見事に結実しています。メジューエワの慧眼に改めて驚きと感銘を与えられました。本当に充実の素晴らしい「メトネル・アルバム」の嬉しい再リリースです。(中川哲也/ライナーノートより)